2017年6月15日木曜日

築地散歩 ~ 八紘一宇の碑 から波除神社へ ~

 築地と言えば、移転問題で揺れ動いており、
ニュースでこの単語を聞かない日はないですね。

 私は、仕事の関係で築地には不定期ながら定期的に訪問しております。
最近は外国人観光客が目立つこのエリア、昔と比べて様変わりを感じます。

 そんな築地の10分観光コースのご紹介が本稿のテーマとなります。

 まずは、こちらの石碑「八紘一宇の碑」からスタート致します。
八紘一宇の説明はウィキペディアの説明が簡潔で分かりやすいので引用致します。

(八紘一宇の碑)




















※ 「八紘一宇(はっこういちう)、八紘為宇とは、天下・全世界を一つの家にすること。
『日本書紀』の「八紘(あめのした)を掩(おお)ひて宇(いえ)にせむ」を、
全世界を一つの家のようにすると解釈したもの」 (Wikipediaより引用)

 この碑がこちらにある理由は調べてもよくわかりませんでしたが、
やはり、築地に海軍関係施設が多いことに由来するのでしょうかね?

 築地の歴史を紐解きますと、こちらはもともとが埋立地です。
江戸時代には浄土真宗の門前町として栄えた当地に、
軍艦操練所(築地軍艦操練所)ができたのが、1857年(安政4年)のことです。
この跡地には、そのことを示す看板が立っています。
英文での説明があるのが、流石に国際観光エリアとなった"TSUKIJI"を物語ります。




















 軍艦操練所は、元々江戸幕府が講武所内に軍艦教授所として開設されたものですが、
1859年(安政6年)、勝海舟が砲術教授となり改名されました。
1867年(慶応3年)の火災で焼失後に、当地から浜御殿へと移転したとのことです。
こちらの看板には、その後、日本最初の洋式ホテルである「築地ホテル館」
が建てられたとありますが、このホテルは、4年後に銀座大火で焼失しています。
短期間に目まぐるしい歴史の動きがあるわけですね。

※ 築地ホテル館は清水組(現在では清水建設)によって手掛けられました。
 詳細は清水建設のホームページにありますので、
 建築に興味のある方は必見です。

 第4回 絵図で辿る三大洋風建築 「築地ホテル館」(上)
 第5回 絵図で辿る三大洋風建築 「築地ホテル館」(中)
 第6回 絵図で辿る三大洋風建築 「築地ホテル館」(下)

 さて、今回の散策のメインである波除神社へと向かいます。
その名も「波除通り」を歩いて向かいますが、
「日本一・厄除天井大獅子」の文字が目に入りますね。

(いざ波除神社へ)

(波除通り)





































 こちらが「波除神社」です。
1659年(万治2年)創建の歴史ある神社です。
創建の経緯ですが、当地・築地での埋め立て工事は極めて難航しておりましたが、
そんなある日のこと、海面を光りを放って漂うものを見つけ、
それが「稲荷大神の御神体」であり、当地に社殿を建て祀ったことに由来します。
その後は、波はピタリと収まり工事が順調に進んだことより、
それ以降は「災難を除き、波を乗り切る厄除けの神様」として信仰を集めております。
主祭神は「倉稲魂命(うがのみたまのみこと)」となります。

(波除神社)

(波除稲荷神社の説明板)

(波除神社・御本社)























































 御本社の手前には、「獅子殿」「摂社 弁財天社」があります。
どちらにも大きな獅子がおり、中々の迫力です。

(摂社 弁財天社 - お歯黒獅子)

(獅子殿)






































 創建の経緯もさることながら、当地は魚市場のお膝元ということもあり、
ユニークな「塚」があることで知られています。
 まずは玉子塚から始まり、すし塚、海老塚、鮟鱇塚、活魚塚、昆布塚
と続きます。さすがは築地ですね。

(玉子塚、すし塚、海老塚)

(鮟鱇塚、活魚塚)

(昆布塚)























































 そして最後にご紹介するのが、「奉納吉野家碑」です。
吉野家は1899年に日本橋で創業しますが、 1926年関東大震災に伴う
魚市場の築地市場移転に伴い、築地場内へ移転します。
その後、1959年に築地一号店をオープンと当地には深い縁があります。

(奉納吉野家碑)




















 築地といえば魚市場でのグルメが有名ですが、
築地が国際ブランドとして観光地化した今現在、
安くて美味しいというより、美味しいけど安くない!
という感じになっているかな?と思います。
何より人が多すぎですね。

 しかしながら、付近には昔ながらの建物も残っており、
散策するには、まだまだ面白い街です。
築地市場の将来は流動的ですが、古いものは残ってほしいな、
と思う次第です。

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