ハズレくじの供養でお馴染み
池立神社から再び牛込柳町駅方面へと足を進めます。
改めて、この付近には寺院が多いな~などと思いつつ、
宝禄稲荷神社に到着致しました。
流石に境内は無人になっていましたので、
ゆっくりと参拝することができました。
こちらの神社は世にも珍しい”ハズレくじの供養”ができる神社です。
いったいどうして?という疑問を持ちましたが、
境内の御由緒書きにその答えはありました。
"昔々この地にたいそうくじ運の強い百姓がおったそうじゃ。じゃがこの男初めからくじ運が強かった訳では無く、いつも富くじではせっかく貯めた小銭をつぎ込んでは、すっからかんになってしまいおっかあに怒られて頭があがらんかったそうじゃ。そんなある日、よせばよいのにおっかあがせっせと夜なべをして貯めた小銭を見つけ、早速江戸の街に富くじを買いに意気揚々と山を下って行ったそうじゃ。「こいつを元手に一発当てておっかあやガキ達に腹一杯の飯を食わしてやりたいのう。」じゃが案の定帰りはけつの毛まで抜かれスッテンテンになって山道を重い足取りで帰って来たそうじゃ。その当時、今の牛込の深い谷を越えて山道を登ってくるとちょうど登り詰めたこのあたりに小さなほこらが有ったそうじゃ。百姓は、ほこらの前で一休みしながら何と言ってごまかすか思案にくれていたそうじゃ。財布の中には、外れた富くじが捨てられずに入っていたので、これをおっかあに見つかったら半殺しの目に遭うと思い、ほこらの前に外れくじを置くと自分の運の無さをなげき、いつかおっかあに楽をさせてあげたいと願ったそうじゃ。それから何ヶ月かして、小銭の出来た百姓は、また懲りずに夢をいだいて富くじ買いに山を下って行ったそうじゃ。じゃが今度は、何か違っておった。百姓は、一番くじを当ておった。それから何をやってもつきまくり、一家は、たいそう幸せになったそうじゃ。百姓は、ほこらにお礼を言い、ここに立派な社を建てたのじゃった。その話を聞きお参りをした人達が、誰言うと無くこの社を宝禄稲荷と呼び、百姓の運が自分にも授かるようにと外れくじを置いて拝んだそうじゃ。今ではこの宝禄稲荷は、金銀融通、一陽来復で有名な穴八幡宮の末社になり、沢山の方々が運が開けるように外れくじを置いてお参りしていくそうじゃ…!新宿区原町三丁目町会 宝禄稲荷神社保存会"
うーん、良い話のような気も致しますが、
せっかく貯めた小銭をつぎこんじゃダメだろ!
なんて気もするので不思議な感じがしますね。
しかしそれ以上に不思議な感覚を持つのが
"今の牛込の深い谷を越えて山道を登ってくると"
なんていう文言でしょうかね?
こんな都会が昔は山道だったわけです。
こちらの神社も小さなほこらのイメージは残ってなく、
都会にある整った綺麗な神社です。
何か色々と不思議な気持ちにさせられる神社でしたね。
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